カバンの中から・・・

　｢私、ポケモンとデジモンの区別つかないんだよね」
　｢え〜、全然違うよ〜。ポケモンのほうがかわいいじゃない」
　｢そうかな…。あ、ピカチュウはわかるよ☆…でも、ピチューとピカチュウってどこが違うの？同じに見えるんだよね〜」
　｢全然違うよ〜」

　小餅はそこでおもむろにカバンを開け、小さなハンカチを取り出した。すぐとなりでポケモンの説明をしている友人にそれを手渡す。

　｢これでピカチュウとピチューの違いを教えてあげて」

　小餅がそう言って渡した物は

　『ポケモンタオル&ポーチ』のピカピチュだった。

　｢ほら、見てよ、違うでしょう？」
　｢…どこが？」
　｢耳が大きいのがピチューだよ。しっぽも違うでしょ」
　｢えー、同じふうに曲がってるじゃない」

　小餅も口を挿む。

　｢体が小さいのがピチュー。お腹がもたっとしてて太いのがピカチュウだよ」
　｢ふ〜ん…。で、この首についてる黒いのは何？」
　｢模様」
　｢ふ〜ん」

　何となくピカチュウとピチューの違いをわかってくれたようだった。

　……だが、いったいどこの世界に、飲み会の席にピカピチュのハンカチを持っていく人がいるのだろうか。

　某所から移動した、とある場所で…

　「ねえ、そのカバンの中、大金入ってるんでしょ」

　お店の人に、小餅はそう話しかけられた。

　「入ってないですよ〜」
　「さっきから大事に抱えて、離さないでしょ、全財産持って歩いてるね〜」
　「…大事な物は入ってるけど」

　そう言って小餅はカバンの中から、それを取りだし見せた。

　「何？これが大事な物かい？」
　「それ、万歩計になってるやつでしょ」
　「どれどれ」

　とか言いつつ

　ぱく！

　「あー！」

　ポケピカカラーはその人の口の中に！！危うく食べられるところだった（汗）

　……だが、いったいどこの世界に、飲み会の席にポケピカカラーを持っていく人がいるのだろうか。ちなみにポケピカ二個も入っていたが（汗)