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小餅は、病院にあまり行かない。家族について行くことはあっても、小餅自体が診てもらうことは少ない。 そんな小餅が、つい先日、病院に行くことになった。 「どっちに行こう・・・」 内科と皮膚科。どっちに行くか小餅は悩んでいた。 「吐き気は、置き薬でおさまってるから皮膚科の方にするか」 行く病院は決った。 「よし!ちょっと頭がボーとしてるけど、チャリで20分の皮膚科に行こう!」 自転車で10分の所にも、皮膚科の入ってる病院がある。しかし、そこは患者が少なくてヤブだというウワサだ。 小餅が行こうとしている病院も、知人の話だとヤブらしい。しかし、小餅の家族は数年前に何度かその病院に通い完治している。 「あの病院、おもちゃとか多いんだよなあ・・・」 小餅の目当ては決っている。その病院は、診察室にオモチャがたくさんあるのだ。小さい子どもは診察後にオモチャや折り紙をもらえるのだ。時計も子供が好きなキャラクター時計だったはず。 「あの病院・・・。ピカチュウがいるかも」 そう、ピカチュウが目当てなのだ。小餅は、評判の良い混んでる病院よりも『ピカチュウがいる病院』が、えらぶ基準なのだ。 チャリリリ〜。キキキー―!ぴたっ。病院に着いた。 玄関に、張り紙がある。 『院長先生が病気療養中なので休院します』 ・・・休み!? 小餅は困った。ここまで来て、家から10分の病院に戻る気はない。 「仕方がない。ココから1分の評判の良い混んでる病院に行こう」 すぐ病院に着いた。 ○○肛門科クリニック。 別に直腸検査をしてもらうわけでも、痔の検査をするのでもない。ここに皮膚科も入っているのだ。 「あれ?自転車を停める所がない・・・」 病院の周りに自転車を停められるような所はなく、仕方がないので近くのスーパーの隅に停めて置いた。 皮膚科の受けつけ締め切り時間5分前だった。 混んでいる・・・。受付にピカチュウもいない・・・。 1時間以上たって、やっと呼ばれて診察室へ。 「ピカチュウ、いない・・・」 診察室にもピカチュウはいなかった・・・。 (こんなことなら、皮膚科じゃなくて内科に行って、ピカチュウのオモチャを見ながらピカ毛布かぶって、吐き気止めの注射してもらえば良かった・・・) いやいや湿疹の方が重症だ。 親指は、爪の生え際に湿疹ができ、それが治ると皮がむける。湿疹はその隣りにまたできる。また、皮がむける。を、繰り返し、親指の付け根には湿疹。そして親指のほとんどが皮がむけてる状態だった。 「細菌は見つからなかったので湿疹の薬を出します。でも、湿疹の治療をしてるうちに、かくれていた細菌が出てくる事もあるので、1週間後また来て下さい」 そう診察され、薬と包帯をつけてもらった。 小餅の親指は、大げさにぐるぐる巻きにされた。 会計を済ませ、薬屋で薬をもらったら、病院に来てから二時間たっていた。 「ピカチュウもいないし、時間はかかるし・・・お腹がすいた・・・」 小餅はフラフラと自転車を走らせた。 「ここで買い物しなきゃ」 家から5分の場所の小さなスーパーに入る。 「あ・・・遅かった。特売品、売りきれてる・・・」 開店時から3時間。目玉商品が売りきれていてもおかしくないだろう。小餅はガッカリしながらフラフラと店内を徘徊した。 ケチャップのコーナーだ。家にケチャップは買いだめしてある。買う必要はない。それに安売りはしていない・・・。 「ああ!!」 思いがけない物が目に入る。テレビのCMでしか見たことのないケチャップだ! 「つぶケチャだ!」 そう、今までどこにもなかったケチャップが目の前にあるのだ!! 『ナガ○トマトつぶつぶ野菜ケチャップ』
ピカチュウが「ぴかあ」としゃべるCMのケチャップだ! 「ピカチュウだあ〜。ピカチュウだよ、ぴかぁ〜」 空腹でふらふらしてる小餅は、つぶケチャをつかみ、カゴに入れた。いそいで会計して帰る。 「やっと見つけた・・・」 小餅は感無量だった。今まで、普通のナガ〇ケチャップは見たことがあったが、つぶケチャはなかったのだ。 皮膚科じゃなくて内科に行っていたら、このスーパーは通り道にはなかった。1番近くの皮膚科も通り道ではない。 小餅のえらんだ病院で、間違いはなかったのだ!! ・・・その夜・・・ 小餅家食料班の小餅は、ぐるぐる巻きの包帯の上に、さらにラップでぐるぐる巻きにして包帯を濡らさないようにして、チーズオムレツを作り、つぶケチャをたっぷりのせたのだった。 おわり |
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