お通夜の夜に

 
 みゃーすさんからいただいた恐怖体験です。

 私の母親の姉が病気で亡くなり、両親が、お通夜で出かけた夜のことです。

 誰もいない家・・・。

 しかも、夜となれば、静かで「さあ、寝よう」と、テレビも電灯も消すと、コチコチと時計の音だけ聞こえてまして・・・。
 そういう事のある夜ともなれば、よけい気になり・・・。

 ちょっと、気持ち悪さもあったのですが、昼間の仕事の疲れもあり、ウトウト眠ってしまいました。
 どれぐらい眠ったんでしょうか?

 パタッ!パタッ!

 と、部屋の中を歩くような音に目が覚めたのは。

 「う〜ん。また、猫入ってきたかな?」

 うちには猫がいます。
 しかも、その頃いた猫は、じょうずに爪を使い戸を開けてしまうのです。

 「くそっ!うるさい奴やなあ」

 と、暗がりの中、戸を見ると閉まってます。

 「えっ!何あの音」

 私は、ぞく!ときました。
 そして飛び起き、電灯を点けました。
 やはり部屋には猫はいません。

 そして床には、緑色の短い棒状の物が数本落ちていました。

 「何これ?」

 その緑の物を拾い見た私は凍り付きました。

 それは、仏壇にお供えするお線香の切れ端だったのです。

 そして、次の日。
 私の妹から電話がありました。妹は別に住んでいるのです。

 「兄ちゃん、昨日変なことなかった?」
 「ええっ!なんで?」
 「夜中に部屋の中、誰か歩く音するから怖くて、おふとん頭からかぶってたら、おばあちゃんの声で 『怖がらんでええよ!』って、聞こえたんよ」

 祖母が亡くなった時、祖父と、うちの両親の中が良くなく、祖父は 連絡しなかったんです。
 「子も孫も来ないお通夜に、祖母はきっと、寂しかったんじゃないかな?で、私達のところに出てきたんだ」 と、妹は言っていました。


 お祖母さんは、叔母さんのお通夜を、もっと賑やかにしたかったのでしょうか・・・。

――終り――

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