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「このへんってこんな店あった?」 いつもの彼女なら、車を停めている所まで小走りで戻るのに、その日に限っては、いつもと違った。 仕事中である。早く会社に戻らなくてはならない。 なのに彼女は周りの風景に気を取られ、余所見をしたまま、ついに立ち止まってしまった。 別にめずらしい風景があった訳ではない。 だが、彼女が立ち止まった直後 ガシャーン!! 何かが落ちたような音に驚いてショウコは音がした方を見た。 「看板?壁の一部??」 ショウコの前方、1・2メートル先に、瓦礫のような物が落ちている。どう見ても一辺が50センチ以上はありそうだ。 「うそ・・・」 ショウコは慌ててそこから反対側の歩道に渡った。 そう、古いビルから落ちてきた瓦礫は、ショウコがいつもの様に小走りで通りすぎようとしていたら、間違いなく彼女の上に落ちていただろうから・・・。 彼女が何かに誘われたのか、それとも、何かに守られていたのかは未だに不明である。 ――終り―― |
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