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ユキエが高校の時の話である。かなり昔の事だ。 コツコツコツコツ……。 「変なの……左って窓なのに。廊下の音が響いているのかな?」 ここは四階で左側は窓。窓の下は地面まで何もない。右側は廊下。足音はだんだん近づいて来るようだ。すぐ傍で音が止まった気がした。ドアの窓を見たが誰もいない。 「廊下をはさんで向かい側の教室に入ったのかな?」 ユキエはちょっと気になってドアを開けた。 「あれ?」 廊下には誰もいないし、向かいの教室もドアが閉まっていて人もいない。 「と、隣の教室の足音かな〜」 ユキエは廊下に出て隣の教室に入った。 「ねえ、さっき誰か部室のほうに歩いてこなかった?」 部員達は夢中になってディスプレイに見入っている。本当に誰も席を立っていないようだ。 何事もなくすべて終りユキエはホッとした。
「……って事があったんですよ〜。先輩〜」 ユキエは再び悪寒を感じた。そして一人では部室に入らないと心に決めたのだった。 ――終り―― |
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